アマ王将巡り⑤ 10/9 関西編

大会

大会前

東関東予選から一週間後。実は関西予選の前日に赤旗の県大会で代表決定戦で負け。これで県大会は三大会連続の代表決定戦負け・・・なかなか負の連鎖を断ち切れずにいました。

さて、今回は京都へ新幹線で当日入りすることに。久しぶりにこだまに乗ったのですが、心なしか座席がのぞみより広い・・・ゆったりとした気持ちでくつろげて良かったので、今後もこだまを利用するのはアリだなと思いました。

大会

関西予選の参加人数は100名前後。ただ、今回は代表枠が二枠もあります。

予選(2勝通過、2敗失格)からの本戦で、持ち時間は15分切れたら30秒でした。進行によっては秒読みを20秒にする可能性もあるとのこと。

予選1回戦は関西の方。戦型は後手の早石田。ここで△3六歩▲同 歩△5二玉が後手番では珍しい仕掛け。先手番では見たことがありますが後手でされたのは初めてです。

少し進んで下図。ここで△2四歩と動いてきましたが、あまり良い動き方ではありませんでした。

ここで▲3四歩が地味ながら厳しい一手。以下△同 銀▲2四歩で有利に。

ただ、この直後にトンデモナイ悪手がこちらに出ます。

▲2四歩以下、△2七歩▲同 飛??△5四角

△2七歩に▲同 飛が△5四角をうっかりした大ポカ。図は両狙いが受からず一気に不利に。ただ、相手の玉形が悪いことや浮駒の銀、▲2四歩の存在も大きいようで意外に難しかったのは幸運でした。

受けに回り続けて下図。ここで▲6六歩が自陣に角の効きを通しながら6筋の攻めを見た攻防手。

こういった二つの意味(特に受け&攻め)を持った手を指すと、優勢の場合は差を広げ、不利な時は差を縮めることに繋がります。

優勢になった下図。▲8二歩が習いある手筋で、逃げ道を封鎖して相手玉を8筋方面に逃さないようにしています。

以下と金を寄せつつ▲4一角と打ち手堅く寄せ切ることが出来ました。

予選2回戦も関西の方。将棋の強豪校の立命館大学のOBらしく、話に聞くところ今回の会場は立命館大学のキャンパスから近いようで大勢の立命関係者が大会に出ているようです。

戦型は相手の三間飛車に私は▲6六銀型穴熊へ。プロでは▲6六歩型が非常に多いですが、個人的には▲6六銀型の方が振り飛車側から見て圧倒的に嫌です。どちらの形にも棋理的に差はないと思うのですが、個人的には▲6六銀型の穴熊の方が明らかに穴熊が固く、勝ちやすいと思うので選ばれない明確な理由が分かっていません。この辺りのプロの戦型選択の事情は気になりますね。

さて、話は戻りますが中盤で△6四角と出ましたが、この手が微妙で▲3七歩と受けられると銀取りと▲6二角成を狙われてやや苦しくなりました。

劣勢の中、必死に喰らい付いて下図。

ここで△4二飛と攻防の自陣飛車を打ち、▲3九玉に△7八飛と打ちました。この手は詰めろにもなっており、単純な受けも無いのでミスを期待していましたが…▲2二銀が冷静な一手。

以下△同 飛に▲5四角が詰めろで負け。中盤のつくりの悪さが最後まで響いた将棋でした。

予選3回戦も関西の方。ここで負けると予選落ちになるので何としても勝ちたいところ。戦型はこちらのノマ三穴にエルモ急戦。

図から△7五歩▲同 歩△8六歩▲同 歩△6六歩▲同 角△同 角▲同 飛と仕掛けてきましたが、△6四歩に▲7七桂が味の良い捌き。

以下△8八角に▲7六飛△9九角成、▲7四歩と進むと仕掛けを逆用した形でこちらが優勢に。

更に下図で▲9五角が振り飛車の手筋。以下△7六飛▲7七角△同飛成に

下の▲6六角が好便で△同 龍▲同 銀となると、飛車角交換でこちらの玉を安全にすることが出来て端攻め以外に怖いところがなくなりました。

以下は地道に攻めて勝ち。なんとか予選を勝ち抜くことが出来ました。

本戦1回戦も関西の方。

戦型はお相手の三間飛車に居飛車穴熊。

何気ない序盤ですが、ここで△5五歩と突くのが作戦勝ちへの第一歩。6五に銀を出たいのですが、△4二角で銀が狭いのが気になります。

本譜は▲6七銀でしたが、以下△8四飛から手得しながら金を自玉に寄せることが出来て作戦勝ち。

組み合って下図。

ここから△3五歩と仕掛けて▲4五歩に構わず△3六歩と取り込み、

以下▲4四歩△3七歩成▲同 角△4四飛で有利に。

銀桂交換ですが、相手の玉は薄く、飛車切りや△8四桂や△5六歩などがあって収拾がつかない格好。

終盤に突入して下図から△7八飛と打ちましたが、これが微妙で▲5五歩で角を押さえ込まれて△7六桂に▲6七銀△7九飛成▲7六銀と桂馬を取られて一気に攻めが細くなりました。

ただ、それでも形勢は難しく、そうなると玉の硬い居飛車側が勝ちやすい将棋で最後は何とか寄せきり勝ち。

本戦2回戦は関西の方。自分の同級生で最近は全国でも活躍している方。練習ではほぼ互角なのですが、公式戦では一度も勝てたことがなくて、当たりたい相手ではありました。戦型は相穴熊に。

ここで△7二飛車で、▲7八飛車なら△8二飛車と千日手含みに揺さぶってきました。先手番だったのでここで▲5八飛車と打開したのですが初志貫徹で△7五歩なら厳密には少し苦しいと思います。本譜は歩調を合わせて△5二飛車だったので千日手は避けることが出来ました。

8四の地点で角交換になった局面。ここで、▲6四歩 △同 歩 ▲6八飛と動きました。△4二角なら▲6二角や▲9二角などでどうか。本譜は手筋の△7五歩でしたが▲6六角(下図)でまずまずの展開だと思いました。

さらに進んで下図。ここで▲6五飛車が優勢を決定付ける一手。相手の飛車角が釘付けになっているのが泣き所。

本譜はここから優勢に進んでいくのですが、熱戦のためなんと途中で20秒将棋に変更へ。その影響もあってミスが出てしまい、一瞬千日手の筋が出たのですがなんとか勝ち切りました。優勢な時間が長いのに助けられました。

ベスト8の相手は関西の方。元奨励会三段で全国優勝の経験もある方。過去に二回当たったことがあるのですが未だに白星はなし。早指し早見えなのでこちらも時間を残すことを意識しました。戦型は相手の三間飛車穴熊にこちらの居飛車穴熊。

これでなんと今大会全六局が自分が三間飛車か相手が三間飛車(!)という三間飛車お祭り状態。「三間飛車を制する者がアマチュア将棋を制する」かもしれません。

ここで▲6五歩が大切な一手。△5三銀型三間飛車穴熊対▲6六歩型の居飛車穴熊の場合はこの6筋の位が安定したら角の働きの差で作戦勝ちになります。本譜は△6四歩 ▲同 歩 △同 銀と動いてきましたが、そこで▲2四歩 △同 歩▲2二歩 △3三桂 ▲2一歩成 △2五歩 ▲1六飛(下図)

最終手の▲1六飛が、▲1六歩を保留している効果で香車を拾った後にスムーズに飛車をなることが出来るのが非常に大きいメリット。この局面は居飛車が既に一本取っています。

さらに進んだこの局面。ここで悩んで▲4三銀と打ったのが筋悪な一手。ここは▲5五歩と飛車の横効きを通しつつ歩の入手を図るのが本筋でした。

今、7三の歩を桂馬で取ったところ。相手の方の受け間違いもあってここは大きなチャンスを迎えています。ここで▲1四飛車!!とする手がありました。以下飛車を取るしかないですがそこで▲7三金とすれば優勢でした。ただ今見ても攻めがかなり細く見えてしまうので実戦で選べなかったのも仕方ないかもしれません。

さらに進んだこの局面でも▲1四飛車がありました。この局面なら金銀の入手も見込めるので指す一手だったと思います。本譜は▲7三桂と打ち込んだのですが、以下、△7一金 ▲同銀成 △8一歩
▲6二金 △7三銀 ▲同歩成 △同 飛とされて一気に敗勢に。相手の飛車が攻防の駒になっているのにこちらの飛車は▲1六で泣いていますね。以降は粘ったものの負け。敗れたものの、これまでの対戦で一番追い詰めれたのは成長だったと思います。

今回も前回と同じく代表を取れませんでしたが、ハイレベルで多人数の予選の中でベスト8に残ることが出来て良かったです。

大会後

大会が終わった後に2回戦で当たった同級生と一緒に夜ご飯へ。かなり昔にご飯を奢った事を覚えていて今度はご馳走になることに。とても嬉しかったです。

さて、翌日は京都観光をすることに。

嵐山で渡月橋を見て、トロッコ列車に乗り、最後に貴船神社に行きました。

貴船神社はすごく神聖な雰囲気で素敵な場所でした。今後のアマ王将巡りの無事を願って厄除けのお守りも買いました。

今回の戦績

ベスト8

九州編へ続く

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