アマ王将巡り① 9/3 四国編

大会

大会前

9/2に岡山の倉敷でアマ名の全国大会1日目があったので、そちらの会場にお邪魔することに。(自分は県での代表決定戦で負け。)観戦していると、同世代の方が勝ち上がっていて非常に刺激を受けました。

9/3の大会当日は岡山駅まで行った後にマリンライナーで坂出駅へ。岡山と香川は瀬戸内海を挟んでいますが、30分くらいで行けます。意外に近いですね。電車内では昨日のアマ名全国で予選敗退したのでアマ王将に参加する方達と偶然にも合流。色んな話を聞かせていただき、楽しい道中でした。

さて、大会会場に着くと、地元四国の方以外にもアマ名敗退者や各地区の強豪がおられました。例年以上にレベルの高い大会。どこまで勝ち上がれるか不安と期待が混ざった気持ちで開会を待つことに。

大会

四国大会の参加人数は64名前後。持ち時間は20‐30でした。

初戦は四国の方と。図は先手の私が▲5八の飛車を6筋に移動したところに、相手が△7五歩と突いた局面。

実はこの手を普通にうっかりしていました(汗)。朝一番、特に遠征で朝早いとこういったミスが発生しやすいので気を付けたいですね。実戦は泣く泣く▲5八飛車と戻して、7六の取り込みに角を5一に引いて鬼辛抱。純粋な手損と歩損ですが、陣形差もあって実際の形勢はそれでも互角の範疇だったようです。最後は相手のミスもあり、なんとか勝ち。

対局後にトーナメント表を見たところ、初戦でいきなり強豪が何人も負けており、アマ王将の厳しさを感じました。

二戦目は県外の方。記憶違いでなければ東北のほうから来られていたと思います。プロ公式戦で勝利もされており、初戦で元アマ王将の方にも勝たれていました。早速の強敵です。

図は相手が▲3二と金と指したところ。ここで△3二同竜が味のいい自陣竜。生飛車と竜の差で形勢の良さを感じました。

終盤に突入して、△5六歩に対して▲5八飛車が敗着で、▲5八歩のほうが粘りがありました。本譜は△5五香が厳しく勝勢に。最後は差のある形で逃げ切り勝ちが出来ました。

三戦目は関東の方。元アマ王将で、過去に対戦した際には負けています。実は10年以上前に2枚落ちで教えてもらったことがあり、その時の丁寧な指導が凄く印象に残っています。

図は相手が△4五歩と角道を開けた手に対して▲3五歩と仕掛けたところ。この仕掛けは研究していなかったのですが、直近のNHK杯で渡辺明先生が似たような形で指していた気がしたのでやってみました。

・・・実は、実際の藤井(猛)-渡辺(明)戦は居飛車が後手で振り飛車が端歩を突き越している。更に玉の位置が4八(6二)という決定的な違いがありました。道理で振り飛車の玉遠いなと思いました(笑)。浅漬けの知識で変なことしてしまってはダメですね。

藤井(猛)-渡辺(明)戦(NHK杯、8/27)

仕掛けの分かれは互角だったのですが、その後にこちらの受け間違いもあり一気に敗勢に。相手は持ち時間をほとんど消費していませんでしたが、こちらが早い段階で秒読みに入っていることもあり、時間責めを意識してか、その後もノータイム指しで来られました。形勢はどんどん差が広がっていき、下図は玉の固さ、駒の損得、手番すべてでいいところがなく投了も考えていました。

ただ、その後粘っていると時間責めを意識しすぎたせいか、こちらの通したい手が何回か通り、形勢は急接近。

チャンスが来たと思ったのは相手が5二のと金を払ったこの局面。ここで▲5三飛車成!が閃光の飛車切り。以下、5三の地点で清算して▲7四桂馬と飛び込むと、こちらの玉はZに対して相手の玉は一手一手。

実は飛車切りの数手前に△8四桂と▲6八桂の交換が入っているのが非常に大きく、△6九と金が詰めろになりません。

この局面から相手の持ち時間もみるみる減っていき、遂には秒読みに入りましたが、既にここでは受けがないようで以下数手で投了。強敵相手に大逆転勝ちで大きな自信になると共に、これは優勝できるかも?という気持ちが湧いてきました。

ベスト8戦は関東の方。同級生で、以前に別の大会では入玉負けをしています。

私の作戦はかなり珍しい形ですが、5筋不突き穴熊を目指す居飛車側が受け身になるので、三間飛車の中でも有力な指し方。

終始こちらの玉が薄くて難しい将棋でしたが、玉の空中遊泳の勝負術で耐えていた下図。ここで▲3三歩成に△7七歩が厳しい一手で何とか寄せ切り勝ち。

これでベスト4。次勝てば自己最高記録更新なので何としても勝ちたいところ。

ベスト4戦も関東の方。前日のアマ名の予選敗退組で、昨日の将棋を見る限り居飛車党だということは分かっていました。

図から▲6五歩~▲4七歩と打ったのがどうだったか。振り飛車ミレニアムよりも得な形をしているので妥協して打ちましたが、ここは3七桂を活かして▲4八飛車と指し、玉頭から攻めつぶすのが筋でした。

本譜は△7三桂と活用されて横の攻め合いになって難しい将棋に。こうなると桂馬を跳ねた穴熊はやや頼りないですね。

下図が最大のチャンスだったようで、先に▲1四桂と打たないといけなかったよう。本譜は角を先に取りましたが、△2四桂と打たれて▲1四桂に△同香、▲同歩、△1六桂と虎の子の香車を外されてしまうことに。

下図は最終盤で△1七歩成と踏み込まれた局面。この局面に進むなら相手玉に詰みがあるのではないかと思っていましたが、詰まずに負け。打ち歩の変化やあと一枚駒が入れば詰みもあってかなり難しいのですが、正確に逃げ切られてしまいました。

この大会は、私に勝った相手がそのまま決勝も勝ち代表に。この後には別の全国大会で優勝もされていました。負けたのは悔しいですが、強敵と良い将棋を指せて良い経験になって良かったです。

ちなみにこの大会のもう片方の山を勝ち上がったのは地元四国の中学生で、こちらも各地のアマ強豪をバッタバッタなぎ倒しての決勝進出で驚きました。

大会後

大会終了後は知り合いと一緒に途中まで帰ることに。本当は香川名物の骨付き鳥やうどんを食べたかったのですが、ヘロヘロだったのでそのまま帰ることに。

写真は以前食べたうどん。釜玉うどんにバターと卵に乗せて食べるのが絶品でとても美味しいです。骨付き鳥もとても美味しいので、また香川に行った時には食べたいですね。

さて、道中でアマ名人戦の決勝がYouTubeで生中継されていたので知人と検討しながら帰りました。結果は前年度優勝者の方が勝ち、史上初の3連覇。この方ともいつか指したいと思っているのですが、まだ指したことがないので、アマ王将で代表を取って対局をしてみたいと心の中で闘志を燃やしてました。

まとめ

最初の予選でいきなりベスト4。それも強豪を倒しての結果で、これなら早いうちに代表も取れると思っていました。

しかし、この時はここからが本当のアマ王将巡りだということをまだ知りませんでした・・・

今回の戦績

ベスト4

北陸編へ続く

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