【初心者&初級者必見!】初心者&初級者にオススメの戦法TOP3

コラム

今回は趣向を変えまして、初心者や初級者にオススメの戦法TOP3を紹介してみようと思います。とはいえ、当ブログを見ている初心者や初級者の方は残念ながら少ないと思いますので、初心者や初級者に指導される方向けの記事になるのかなと思っています。また、これから新たに指す戦法を増やしたいと思っている中級者にも参考になると思います。

ランキングの選考条件は以下の通りです。

  1. 駒組みがシンプルで分かりやすい
  2. 自分から積極的に攻めていける
  3. 指したい形になりやすい
  4. 相居飛車、対抗形、相振り飛車の全ての戦型に応用できる
  5. 有段者以上になっても通用する
  6. 勉強材料(棋書や棋譜)が豊富

また、あくまで個人の意見ですので一見解としてご参考頂けると幸いです。それでは早速見ていきましょう。

第3位:早繰り銀

第3位は早繰り銀。駒組みは銀を4六(6四)の地点に出すだけなのでとてもシンプルです。そして、いつでも飛車と銀の連携で自分から攻めていけるところが最大の魅力。また、角換わりから相振り飛車まで様々な戦型でも使えるところも良いところ。最近はプロ棋戦で見かけることも多く、高いレベルでも通用するポテンシャルも示しています。ただ、歩越し銀であるため歩で狙われやすいのと、攻める際に飛車のコビンが空くことで角の両取りを狙われやすいのには要注意。また、早繰り銀に関する棋書は1、2位の戦法に比べて現状少ないため、勉強のしやすさがやや劣るためこのランキングとなっています。

角換わり
雁木

相掛かり
対抗形

矢倉
相振り飛車

第2位:右四間飛車

第2位は右四間飛車。駒組みはシンプルで、腰掛け銀を作って飛車を4筋(6筋)に振るだけです。この戦法の素晴らしい点は、攻めるにあたって飛車角銀桂歩をバランス良く使える部分にあります。多くの駒を一点集中で積極的に攻めていけるので破壊力抜群です。また、エルモ囲いや美濃囲い、そして穴熊など固い王様に囲いやすいのも魅力の一つ。かつてはやや単調で大味な戦法と称されていた時期もありましたが、将棋ソフトの影響もあって、トッププロも採用することが増えています。また、棋書も一定数出版されており、アマ人気があることも伺えます。一つ欠点があるとすれば、相手が4筋(6筋)の歩を突いてくれないと、争点がないので採用出来ないところです。指したい形へのなりやすさは他の二つに比べると劣るのでこのランキングに。

矢倉、雁木
相振り飛車

角換わり
対抗形

第1位:中飛車

映えある第1位は中飛車。この戦法の凄いところは先手でも後手でも相手の形に関係なく、5筋に飛車を振れば絶対に中飛車に組める点です。シンプルさと再現性の部分が圧倒的に優れているのが第1位の理由です。また囲いも美濃囲いや穴熊といった堅陣に組め、攻めるにあたっては左銀を中央に繰り出して相手の急所の5筋を積極的に攻めることができるのも大きな魅力です。トップ棋士の菅井八段や久保九段といった振り飛車党の先生が採用していることもあって勉強しやすいのも魅力の一つですね。アマ人気も非常に高く、棋書も全体的に豊富なため、覚えたら即戦力間違いなしの戦法です。

対抗形
相振り飛車

棒銀や四間飛車はどうなのか?

初心者にオススメの戦法としては棒銀や四間飛車がよく言われます。私も入門書を見て最初に覚えた戦法はこの二つです。どちらもプロレベルでも有力で、非常に優秀なため覚えて損のない戦法です。

棒銀は攻め形(銀を敵陣に進める)や攻めの基本(大駒と小駒の連携で攻める)を学ぶのには優れていると思います。ただ、狙いが明快すぎるために、相手が強くなると防ぐほうが上手になり、攻めが頓挫するケースが増えてくるのと、攻めの銀が囲いから遠く、全体的に玉が薄くなりやすいため、攻守のバランスが良い駒組みを覚えるにはやや適さないと思ったのが、ランキング外になった理由です。

対振り棒銀。有力な作戦。
棒銀の受け方の一例。単純な直進では通用しづらい。

また、四間飛車は「王様を囲う」という守りの大切さを教えるには最適だと思います。ただ、飛車を振って美濃囲いに組むまではとても簡単なのですが、その後にどう攻めるかが中飛車や右四間飛車に比べると圧倒的に難しいです。基本的に相手のカウンター待ちなので自分から攻めようとしたら角交換されて飛車先突破されて潰れる。急戦をされたらむしろ相手に気持ちよく攻められてそのまま潰されることが多いと思います。また、居飛車側の作戦が急戦から持久戦で様々な形があり、それに合わせて四間飛車側の指し方を変える必要があるのも難しいため、ランキング外になりました。

迂闊に角道を開けたら飛車先突破される。
急戦はちゃんと対応しないとすぐ潰れる。
持久戦は穴熊や位取りも有力。

そのため棒銀や四間飛車で攻めと守りの基本を教えてから、今回紹介した戦法を教えてあげるのが初心者には良いかなと個人的には思っています。ただ、人によって将棋は千差万別で、待つことや受けることが好きな性格の方もいると思うので、その場合は人の適性に合わせて違う形を教えてみるのもアリだと思います。

以上が初心者へのオススメ戦法TOP3でした。次回はオススメしない戦法TOP3も書いてみますので乞うご期待を。

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