いよいよ発売!「三間飛車穴熊の現在地1 対左美濃・銀冠編」その1

書籍

どうもこんにちは。ブログ「将棋_学びの庭」をしています、羽仁 豊(はに ゆたか)です。

これまでXでは告知していましたが、遂に初の著書が発売する運びとなりました。

タイトル名は「三間飛車穴熊の現在地」で、表紙はアイキャッチ画像のようなデザインになります。また、第一巻は対左美濃・銀冠を中心に解説をしています。

そして、発売予定日は2025年6月13~20日の間です。

執筆中から全国各地の知人や友人、また普段ブログを読んでくださり、Xでいいねやリポストをしてくださる方など、様々な方から楽しみにしているという声を沢山頂き、とても励みになりました。本当に感謝しており、改めてお礼申し上げます。

・・・とはいえ、無名のアマチュアが電子書籍での自費出版で定跡書を出したところで「?」と感じる方が大半だと思います。

そこで本記事では宣伝を兼ねて、本書の目的や魅力、そして、お得な購入方法などを二回の記事に分けて紹介していこうと思います。

本書の目的

まず、本書の目的は「三間飛車穴熊の定跡の体系化」です。

私が将棋を勉強し始めた2010年頃~2010年代前半までは、四間飛車やゴキゲン中飛車の本が非常に多かったように思います。特に2000年代前半に出た藤井猛九段の「四間飛車の急所」シリーズは名著で、対急戦が中心ではありますが、一つの戦法について緻密に体系化した定跡書といえば、今でも私はこの本を思い浮かべます。

対して三間飛車は、元々その二つに比べて書籍は少なかった印象です(三手目▲7五歩からの石田流は別)。

ただ、四間飛車の藤井システムやゴキゲン中飛車の対策が進み、ブームが終焉に向かったためか、2010年代後半からプロ間でもノーマル三間飛車が徐々に流行して、近年では振り飛車党トップ棋士の菅井八段がタイトル戦でも三間飛車穴熊を指されるようになっていきました。

そうして三間飛車がプロアマ問わずブームになり、三間飛車の定跡書は増えたものの、美濃で戦う変化を解説したものが多く、三間飛車穴熊に絞った専門的な本は小倉先生が数年前に書かれた「三間飛車穴熊のすべて」以外に近年ではないと記憶しています。(もし他にご存じの方いたらまた教えてください。)

私自身、三間飛車穴熊をエース戦法にして、学生名人という学生タイトルの中でも歴史のある大会で全国優勝し、プロ公式戦にも出場することが出来たのですが、最初は勉強する上で参考になる書籍が無いため非常に苦労しました。(逆に言えば、居飛車側の対策も精緻ではなかったために、勝ち星を稼ぐことが出来たとも言えますが・・・)

「三間飛車穴熊の現在地」は全四巻構成予定ですが、このシリーズによって、これまで曖昧な部分も多かった三間飛車穴熊の定跡を体系化して序中盤の指し方の方針の例を示すことで、これからの将棋プレイヤーの皆様に微力ながら貢献出来たら、と思っています。

本書の魅力!

1.数少ない三間飛車穴熊を専門に解説した定跡書

→こちらは先ほど述べた通り。

また、私自身が「四間飛車の急所」や杉本八段(藤井七冠の師匠)の「相振り革命」シリーズで勉強した世代ということもあって、それらの本のようにシリーズもので、なるべく理論的な構成の非常に濃い内容を目指して書きました。

そのため、私と同じように定跡書を読むことが好きな方には特に満足していただけると自負しています。

2.著者の棋力による書き手の一定の信頼性

→著者はアマ五段免状を持っており、将棋俱楽部24だと六段後半から七段前半(2600~2800)の棋力です。

そして、三間飛車ほぼ一本(特に全国大会)で2018年度に学生名人を取ったことや、本ブログの記事を読んでくださっている方にはご存じの通り、最近では全国大会や各地のアマ王将予選などのハイレベルな大会で元奨励会三段や元アマ全国優勝者の方々にも三間飛車穴熊で快勝している実績もあります。よってアマチュアではありますが、読者にとって、書き手の棋力については比較的信頼出来るものと考えています。

そして、本書の内容は主に私自身の数多の実戦経験や後述のソフト検討によって得た知識を元に定跡をまとめています。(勿論、プロ公式戦の棋譜も参考にしています。)

そのため、内容手順そのものもアマの最上位のレベルまで通用することは身を持って証明済みです。(残念ながら私の棋力の都合上、プロレベル以上に通用するかは担保出来ないのですが・・・(泣))

3.将棋ソフトでの検討手順の使用による手順の信用性

本書は手順について信用性を担保するため将棋ソフトを使用しています。自身で考えた構想や変化についても必ずソフトで検討しているため、大きく結論がズレる手順は解説していないと思います。

もっとも、仕方ないと言えますが、中終盤の難解な攻め合いの変化などは今後更に高性能な将棋ソフトが使用できるようになった場合に結論が覆る可能性はあるのでそちらはご了承ください。

4.面白い手や構想が沢山

→本書では面白い構想や手が沢山登場します。定跡通や序盤研究派の方でも恐らく見たこともないような手も多くあると思います。これは書籍化するために奇をてらったわけではなく、お互いに手順を尽くした結果現れた手ばかりです。勿論、意図的に成功例を示したものもありますが、そこについてはちゃんと解説文で補足しています。

また、居飛車側にも面白い構想が多いのも魅力です。特に第五章第一節の居飛車側の構想はハマれば破壊力抜群で、思わず練習で試したくなる形だと思います。

そのほか、地味な注目ポイント2点をあげますと・・・

5.▲3五歩の仕掛けへの様々な対応の解説、応用性

→第三章第一節の対左美濃+▲4六銀急戦では、居飛車が▲3五歩と仕掛ける展開に焦点を当てているのですが、その中で三間飛車側の様々な対応手順を記載しています。

これは、定跡書では一通りの受け方しか解説していないため、本を信じて同じ対応をしたら実戦の妙で僅かな形の違いが生じている故に失敗したという、私の数多くの苦い経験から来ています。

一つだけでなく、色んな対応手段を記載することで仕掛けへの「セーフティーネット」を用意したいと思ったので、他の章節の変化においても、応用できるようになるべく複数の対応手段を解説することを心掛けました。

6.実戦を想定して、居飛車▲9五歩型の手順も解説している。

本書では、三間飛車が穴熊に組む場合も玉側の端歩を受ける形を基本として解説しています。

しかし実戦での序盤の駆け引きや、第二巻以降で解説する予定の対急戦や相穴熊の変化との兼ね合いで、端歩にフォーカスした第五章を設け、その第二節で居飛車が端歩を突き越す▲9五歩型も解説しました。

こちらも応用性を重視した結果でもありますが、本を買ったのに想定した形にならないせいで実戦で使いづらくなる要因を一つ潰せていると思いますので、地味なオススメのポイントです。

7.ページ数の割に安い!Kindle Unlimitedでも読める!

最後に、恐らく購入する人にとっては一番大きな魅力。ページ数の割に安いです。

本書は大手の棋書出版社様の詳細な定跡解説書に近い形式で、約400Pしっかりと解説を載せています。この形式とページ数だと、安くても2000円前半台が相場だと思います。

しかし、本書は電子書籍だと1,250円(税込)とその半分近い値段となっているのでとってもお得です。また、Kindle Unlimitedでも読めるので既に加入している方はタダで読めるのもポイントです。

・・・なお、ペーパーバック版は2,500円(税込)と割高になっていますが、これは印刷代がかなり掛かるせいで、この辺りは自費出版の泣き所ですね(涙)。

読者の対象棋力

前述の通り、本書は将棋ソフトでの検討手順を使用しているため、比較的難しい内容になっていると思っています。

そのため、対象棋力はアマ有段者以上を想定しています。更に言えば、アマ三段~五段の方ならより楽しめる内容のつもりです。

とはいえ、本書に興味を持ってくださった方の中で今後初段を目指す級位者の方も、手順を盤に並べたり、解説を読んでくだされば、三間飛車穴熊という戦型の面白さを十分味わっていただけると思っています。そのため、色んな方々にも手に取ってもらえたら嬉しいです。

本書をオススメしたい方々

  1. 三間飛車穴熊に興味がある、既に好きで良く指している振り飛車党の方
  2. 逆に、三間飛車穴熊に手を焼いて対策をしたいと思っている居飛車党の方で、特に左美濃や銀冠(銀冠穴熊含む)をよく指される方

1に該当する方は、間違いなく読んで楽しめる内容だと思います。

それと振り飛車党の方は共感出来るんじゃないかと勝手に思っていますが、対居飛車穴熊の指し方はしっかり準備しているけど、実はそれ以外の形をされたら意外に困ってその場で「何となく」の駒組みで指している・・・ということないでしょうか?

近年ではソフトの影響で銀冠穴熊が一時期流行っていたように、また過去には中原先生や(故)米長先生が振り飛車穴熊に銀冠の厚みで圧倒して退治していたこともあり、相穴熊よりは少ないですが、老若男女問わず振り飛車へは左美濃や銀冠を指す方は現在も一定数いると思ってます。

もし身近なライバルが左美濃や銀冠を指す場合は、対策の方針を知るために一読の価値大いにアリです。

また2ですが、私は元は相振りも辞さない純粋振り飛車党だったものの、現在は居飛車を中心に指しているオールラウンダーであるため、なるべく居飛車振り飛車問わない公平な視点で定跡を整備したいと思っていました。

そのため、本書では三間飛車穴熊が悪くなる変化やされたら嫌な構想なども正直に記載した上、各章の結論とまとめ部分では、振り飛車党視点とは別に居飛車党視点での有力策についても言及しています。

よって、三間飛車穴熊の対策に困っている居飛車党の方にとってもオススメ出来る一冊です。

その2に続く

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